iphone5が品薄の理由?期待感を演出するマーケティングの常套手段を暴露!

iPhone5の人気が凄いですね!なんと発売3日間で販売台数が900万台を超え過去最高記録だそうです。
連日iPone関連のニュースが飛び交っておりますが、そのニュースの中でも注目を集めているのが「iPhone5s本体カラー金・銀の品薄状態」についてです。ニュースの内容はこんな感じです。

米アップル社製スマートフォン(高機能携帯電話)「iPhone」の新機種「5s」と「5c」が20日午前、携帯電話3社から発売されたが、上位機種の「5s」については、品薄であるうえ、3色から選べるはずの本体色は黒(スペースグレー)に限られている。販売店によると、当面、金と銀は入荷のめどが立たないという。

2013.9.20 産経ニュース抜粋

表面上のニュースを閲覧している限り、まるで「想像をはるかに上回る需要があり、生産が追いつきません!」という事だと思います。
当然アップルサイドは品薄状態の明確な原因については発表しておりませんので明確な答えはありませんし、憶測の域を出ることはありませんが、、、
個人的な見解としては「意図的に品薄状態を演出している」と確信しております。

では何故そんな事をするのか??これが重要です。
これはアップルの仕掛けた「販売戦略」であり、確信的なマーケティングプランだという事です。(推測ですよ)
根拠としては、アップルほどの大企業が本当に大幅な需要計算ミスを犯すとは到底思えないからです。百歩譲ってサブ商品であれば、なにかの拍子に火がつき爆発的に売れたとしたら理解できますが、メインとなるフロント商品であれば長期に渡り緻密なデータ分析から売上予測を立てる事が最重要項目であり、当然の事前準備だからです。

このような演出を「品薄戦略」などと言われておりますが、状況とタイミングが合致すると絶大な効果を発揮します。

では、今回のiPone5の品薄状態が続くことにより、どのような現象が起こるのか考えて見ましょう。まずユーザーの声を推測してみます。

・「やっぱり凄い人気なんだな。グレーもいつ売り切れるか分からないから今のうちに買っておこう」
・「本当は金色がほしかったけど、とりあえずグレーを買っておこう」
・「金や銀が希少だから、もしあったらラッキー!即購入!」
・「どうしても銀色がほしいから、市場に流通するまで待って購入しよう」

おそらくこのようなユーザー心理が一般的ではないでしょうか。
当然私のように「やりやがったなアップルめ!」なんて裏を読みとろうとする「ひねくれ者」もいると思いますが、実際にはごく少数派あり、大衆は上記ような意見だと思われます。

つまり「品薄状態」を作り出すことにより「枯渇感」と「期待感」を同時に刺激することに成功し、iPhone5に対し即時購入させる後押し&今後購入するであろう「購入者予備軍」を作り出している事になります。

次にメディア対策です。報道関係者は世間の関心が高いiPhoneの記事を書きたいと考えた時、このような現象は記事にしやすいのです。
「販売前○○日から○○名の行列!」「販売後○○日で○○台数販売!」「○○が品切れ続出!」実際にここ数日でニュースとして取り上げられている内容です。
それこそ日本国内の媒体でも毎日この手のニュースを目にしますが、これは全世界で起こっているメディアの風潮です。

例えばYahoo!のトップページに広告を掲載しようとすると数千万円単位の広告費が必要になりますが、報道機関が勝手に情報配信すると「費用は0円」で済みます。結論としてはアップルは宣伝広告費0円で各ニュースサイト(紙面)に情報掲載してもらう為に「メディアに喜ばれそうな情報を提供」することが重要になってくる訳です。

事実、ここ数日の世界中のメディアには「数十億円程度の宣伝効果」があるメディア露出に成功しているのです。

最後に生産調整です。当然ある程度の予測を立てたうえで生産ラインを稼働させると思いますが、生産コストの高い「金」「銀」は無駄の無い最小限の生産に抑えたいというのがアップル側の理想です。
まず品薄状態を演出し「予約」を受け付ける事により明確な販売先を確保する事ができます。一定数の販売先を確保したうえで生産することにより在庫余りというリスクを回避することができるのです。

一見単純に思える「品薄戦略」ですが、背景には確信的な戦略があり、多方面に多大なメリットが存在することがご理解いただけると思います。

もっと身近な例で申し上げますと、「1日限定50杯!伝説の豚骨ラーメン」このような売り出しをしているラーメン屋さんに日々長蛇の行列ができ、ラーメン雑誌から取材を受けるようなラーメン屋さんも「同様のマーケティング手法」を活用していると言えると思います。

このような枯渇感を演出するマーケティング手法はアップルが特別に発案し実行している訳ではありません。昔から多くの業界で類似の手法が活用されており、一定の効果が既に認められている常套手段なのです。

おもちゃ業界のマーケティング戦略から学ぶ

少し業界を変えて「おもちゃ業界」について考えてみましょう。おもちゃ業界は1年を通じて「売れる時期」と「売れない時期」が存在します。
解りやすい事ですが、クリスマスシーズンが一番の繁忙期となり、11月・12月が年間売上の大半を占めております。
逆に1月~3月は目立ったイベントも少なく、おもちゃ業界としては苦しい時期と言えるのです。
そこでとあるアメリカの大手おもちゃメーカーがとった戦略が「品薄戦略」でした。これが見事に成功し今では業界の常套手段として用いられています。
当然、日本でも「品薄戦略」は実践されており、素晴らしい効果を発揮しているのです。

記憶に新しいところで2012年の11月~12月にかけてニンテンドー3DS専用ソフト『とびだせ どうぶつの森』が品切れ続出で大人気!というニュースが連日報道され大きな話題となりました。
さらに数年前には『ニンテンドー3DS本体』の売切れ品薄状態報道があったかと思いますが、なぜか『どうぶつの森』と同時期のクリスマス商戦真っ只中のお祭り騒ぎでした。
アップル同様、ニンテンドーも「想定以上の売れ行きで生産が追いつきません」という発表を繰り返しておりましたので、ここで書くことは個人的な推測であり、なんの確証もないお話であることを予めご了承ください。

では何故おもちゃ業界で「品薄戦略」が見事にハマったのか?という点ですが、これには「人の心理」を逆手にとった面白いマーケティングだという事です。ここで一般家庭によくある光景をイメージしていただく必要があります。1つ例となる小話をしてみましょう。

◆11月上旬にお祖父ちゃんが孫に聞きました。
お祖父ちゃん:「○○ちゃんは今何かほしいのはあるのか??」
孫:「うん今CMで流れている『とびだせ どうぶつの森』がほしい♪
お祖父ちゃん:「そうかそうか。じゃあお祖父ちゃんがクリスマスに買ってあげよう!
孫:「やった~!ありがとうお祖父ちゃん」

◆クリスマスが近づきおもちゃ屋さんに行きました。
店員:「ごめんなさい。現在『とびだせ どうぶつの森』は売切れで入荷の目途はありません
孫:「えーん えーん(涙)」
お祖父ちゃん:「仕方がないなぁ。じゃあ他にほしいものを買ってあげよう」
孫:「それじゃあ『仮面ライダーのベルト』がほしい!」
お祖父ちゃん:「そうかそうか。それじゃあ『仮面ライダーのベルト』をクリスマスプレゼントに買ってあげよう」
孫:「わーい わーい♪ ありがとうおじいちゃん」

◆年が明けると『とびだせ どうぶつの森』の生産が追いついたとの報道が流れます。
孫:「ねぇねぇ おじいちゃん。前に言ってた『とびだせ どうぶつの森』が売ってるよ!」
お祖父ちゃん:「なに言ってるんだクリスマスに『仮面ライダーのベルト』を買ってあげたじゃないか」
孫:「えー!だって おじいちゃん『とびだせ どうぶつの森』を買ってくれるって約束したじゃん!」
お祖父ちゃん:「・・・・・そうだったな。仕方がない買ってあげよう」

いかがでしょうか??何となくイメージできそうなやり取りだと思います。
当然、お祖父ちゃんではなく親と子供のケースや親戚と子供というケースもあると思いますが、そこは重要ではありません。

このやり取りで重要な点は3つあります。

1.特定の商品を買ってあげるという約束が成立していること。
2.クリスマスの日は決まっており、先延ばしにはできない。
3.別商品を買う事では約束が成立していない。

以上3点が重要な点です。
当然お祖父ちゃんの立場からすると買ってあげるおもちゃが何であれ「どうでもいいこと」であり、可愛い孫にクリスマスプレゼントを買ってあげるという事が当初の目的だったはずです。しかし子供とは時に単純であり都合のよい思考を発揮します。
孫とお祖父ちゃんとの間で交わされた約束は『とびだせ どうぶつの森』を買ってあげるという約束であり、クリスマスプレゼントを買ってあげるという約束では無かったのです。

もともとの約束で「何か好きなおもちゃをクリスマスに買ってあげよう」という内容であれば、後日『とびだせ どうぶつの森』を買うという事には繋がらなかったでしょう。しかし多くの場合「○○を買ってあげる(○○に旅行に行こう等)」という具体的な約束が交わされているのです。

後日『とびだせ どうぶつの森』を買ってとせがまれた時に”頭ごなしに駄目だ”といえる人は少ないです。
これは心理学的に言うと「一貫性の原理」という心理が働いております。人は一貫性を保つことにより社会生活に馴染み、生活を送っているのです。
逆に一貫性を保てなくなると社会的にはみ出し者になったり、変り者と評価されてしまうのです。解りやすく言うと「すぐに約束を破る人」「言っている事がコロコロ変わる」こんな人は嫌われるという事です。
もっと解りやすく言うと一貫性を保てなくなると気持ちが悪い!これが人の深層心理に存在するのです。
今回のケースにおいて言うと、相手は可愛い孫です。約束を果たせないまま日常を過ごすという事は絶対に避けたいのです。

心理学まで飛び出し少し大袈裟では!?と考える方もいるかもしれませんが、おもちゃ業界はこのようなユーザー心理まで考えて「品薄戦略」を打ち出しているのは事実です。私はクリスマスシーズンが近づき「○○が売切れ」という報道を目にするたびに「またか。今はこれが目玉商品なんだな」なんて思ってしまうのは「このような裏を読み、本当の意図」を考えてしまうからなんです。例え外れていたとしても面白いもんですよ。

我々でもできる品薄戦略

これまで説明してきたように「品薄戦略」は非常に効果的なマーケティング手法という事が言えます。
そして、このような手法は大手企業でしかできない戦略では無いという事であり、当然WEBマーケット戦略でも活用することが可能です。

例えばあなたがECサイトを運営していると仮定し、「りんご」「みかん」「いちご」の3商品を扱っていたとします。
そして今の時期「みかん」が大人気で売れ筋商品(主力商品)だったとしましょう。

当然あなたは売れ筋である「みかん」を大量に仕入れるはずです。
逆に「りんご」はあまり売れないと分かっているので最低限の仕入れしか行いません。
さて、無事「みかん」の仕入れができたら公開しているECサイトの在庫にも反映させると思うのですが、素直に在庫数を入力するとこのようになります。

・りんご(在庫有り/3個)
・みかん(在庫有り/80個)
・いちご(在庫有り/20個)

しかし、WEB上の在庫数を見たユーザーは何を思うでしょうか??
「みかんだけ在庫がいっぱいあるから人気がないのかな?逆に意外と「りんご」は人気があるのか。」
多くの方がこのような印象を受けるはずです。
つまり、1番売りたい「みかん」は「まだ在庫がいっぱいあるから後で買おう」と先延ばしにされ機会損失の恐れがあるのです。
これでは本末転倒ですよね。

そこで既に在庫を保有していたとしてもWEB上の表記はこのように変えてみてはいかがでしょうか?

・りんご(在庫有り/3個)
・みかん(在庫無し/入荷決定!ご予約承り中)
・いちご(在庫有り/20個)

このように表記を変えることにより、「みかんは人気だから今の内に予約しておこう」という心理に変わるはずです。
つまり、みかんを2週間で売り切ろうと考えた場合、最初の11日間は売切れ状態に設定しておき「残り3日間だけ在庫有り」にしたほうが結果的に多くの販売が見込める可能性が高いという事です。

これは少し極端な例ですが、私の知人で楽天市場に出店している方がいますが「実際にこのような手法を行い売上をコントロール」し業績を伸ばしている方も存在します。

最後に・・・

さて今回はアップル社のiPone5問題を筆頭に「おもちゃ業界のマーケティング戦略」にも触れ「品薄戦略」について解説してまいりました。
明確なエビデンスが無いので、すべてにおいて推測の域は超えられませんが1つだけ明確な事があります。

すべてはユーザー視点で物事を考える事が重要である

という事です。インターネット上であっても「お客様の立場で物事を考える」ことができればビジネスは成功すると思います。
少し長くなりましたがマーケティングの参考にしていただけましたら幸いです。



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Hiroyuki Suga

Hiroyuki Suga株式会社IMPACT 代表取締役

投稿者プロフィール

約10年間のサラリーマン生活を経て、34歳で独立起業。
JOB: WEBコンサル&システム開発・運用
LOVE: 面白い事・フットサル・平和・妻&子(6歳)
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